セルフエフィカシーとは何か?

この記事は1分に500文字読み進めた場合 6 分で読めます

セルフエフィカシー(自己効力感)は、「特定の状況で、自分が望む結果を出すために必要な行動ができると信じているか」という自己の能力に対する信念のことです。つまり、「自分ならできる」という自信を持つことで、目標に向かって行動し続ける力のことを指します。

この概念を理解するために、具体的なシナリオで考えてみましょう。セルフエフィカシーが高い人と低い人の違いを、いくつかの具体的な場面で見ていきます。

具体的なシナリオとセルフエフィカシーの影響

1. 学校での学習

例えば、あなたが数学のテストで良い点数を取りたいとします。

  • セルフエフィカシーが高い場合: あなたは、「私は頑張れば数学の問題を理解できるし、テストでも良い点を取れるはずだ」と考えています。この信念があるため、テスト勉強を続ける動機が高くなり、困難な問題にも挑戦します。もし途中で問題が理解できなくても、「時間をかけて取り組めば分かるようになる」と考え、諦めずに勉強を続けます。
  • セルフエフィカシーが低い場合: 逆に、あなたが「数学なんて難しすぎて、自分には絶対に無理だ」と感じていると、勉強することに対して最初から消極的です。最初にわからない問題が出てきた時点で「やっぱり無理だ」と感じてしまい、諦めてしまうかもしれません。その結果、十分な準備ができず、テストでもあまり良い結果が得られない可能性が高まります。

2. 仕事で新しいプロジェクトに挑戦する場合

あなたの上司から、新しいプロジェクトのリーダーを任されたとします。

  • セルフエフィカシーが高い場合: あなたは、「これまでの経験を活かして、このプロジェクトを成功させることができる」と信じています。この自信があるため、新しいアイデアを提案したり、チームメンバーと積極的にコミュニケーションを取ったりします。たとえ何か困難に直面しても、「解決策を見つけるためにもっと頑張ればいい」と考えて前向きに取り組みます。
  • セルフエフィカシーが低い場合: 一方で、「自分にはリーダーなんてできない」「失敗したらどうしよう」と感じていると、プロジェクトの進行に対して消極的になり、リスクを避けるために新しいアイデアを出すことも控えてしまいます。その結果、プロジェクト全体の進行が滞ったり、チームの士気が下がったりする可能性があります。

3. ダイエットや健康管理

健康を維持するために運動を始めようと考えている状況を考えます。

  • セルフエフィカシーが高い場合: あなたは「毎日少しずつ運動を続ければ、健康になれる」と信じており、たとえ忙しい日があっても時間を見つけて少しでも運動をしようとします。この信念があると、運動が習慣化されやすく、長期的に見て健康維持につながります。
  • セルフエフィカシーが低い場合: 逆に「自分には運動を続けるなんて絶対に無理だ」と考えていると、最初のうちは取り組んでみても、少し時間が取れない日が続くとすぐに諦めてしまい、「やっぱり自分には続けられないんだ」と感じてしまいます。

セルフエフィカシーが高いとどうなるか?

セルフエフィカシーが高い人は、目標を達成するために次のような特徴を持っています。

  1. 高い目標を設定する: セルフエフィカシーが高い人は、自分の能力を信じているため、目標を高く設定し、それに向かって努力を続けます。例えば、新しいスキルを習得する際も、難しそうに見える目標を掲げ、それを達成するために挑戦します。
  2. 失敗を成長の機会と捉える: たとえ失敗しても、「これは学びの一つだ」と前向きに捉え、次にどうすればうまくいくかを考えます。失敗を単なる終わりではなく、次の挑戦に向けたステップと捉えることができるのです。
  3. 粘り強さがある: 難しい課題に直面したときでも、粘り強く挑戦し続けます。例えば、あるプロジェクトが予想以上に困難であっても、「諦めずに最後までやり遂げる」という姿勢を持ち続けることができます。

セルフエフィカシーの育て方

セルフエフィカシーを高めるための具体的な方法をいくつか紹介します。

  1. 過去の成功体験を振り返る: 過去に達成したことや成功した経験を振り返ることで、「自分にもできる」と感じることができます。例えば、以前に困難な状況を乗り越えた経験を思い出すと、現在の課題に対しても「また乗り越えられる」と感じられるようになります。
  2. 部分的な成功を積み重ねる: 目標を小さく分けて、少しずつ達成することが重要です。例えば、大きな目標を達成するために、まずは毎日少しずつ取り組むことから始めると、小さな成功が積み重なり、次第に自信が高まっていきます。
  3. 他者の成功から学ぶ: 自分と似たような状況にいる人が成功しているのを見て、「自分も同じことができるかもしれない」と感じることができます。例えば、同僚や友人が難しい資格試験に合格したと聞くと、自分にも「頑張ればできる」という気持ちが芽生えます。
  4. 支援や励ましを受ける: 周りの人からのサポートや励ましも、セルフエフィカシーを高める助けになります。誰かから「あなたならできるよ」「ここまでよく頑張ったね」と声をかけられると、自分の能力に対する信頼感が増します。

まとめ

セルフエフィカシーは、「自分にはその行動を成功させる能力がある」という信念です。この信念が高いと、難しい状況でも前向きに取り組み続け、最終的に成功を手にすることができます。セルフエフィカシーは、経験を通して育てることができ、小さな成功や周囲からの支援を通じて高めることが可能です。

アドラー心理学を極められる!       今なら19,800円
アドラー心理学検定1級講座|日常に仕事に活かせる!アドラー心理学検定の申込み
DUO LIFE