世帯年収1,400万円でも住宅ローンに落ちる?パワーカップルが直面した現実とその教訓

この記事は1分に500文字読み進めた場合 7 分で読めます
世帯年収1,400万円でも住宅ローンに落ちる?パワーカップルが直面した現実とその教訓

1. はじめに:高収入でも住宅ローンに落ちる理由とは?

家を持つことは、多くの人にとって人生の大きな目標です。特に都内での不動産購入は、将来的な資産価値の増加を期待できるため、多くの家庭が「夢のマイホーム」を求めて住宅ローンに頼ることが一般的です。しかし、どれだけ高い年収を持っていても、必ずしも住宅ローン審査に通るとは限りません。

今回は、世帯年収1,400万円という「パワーカップル」でありながら、住宅ローンの審査に落ちてしまったAさん夫婦のケースを取り上げ、その理由と対策について解説します。この記事を読むことで、同じような事態に直面しないための予防策を学ぶことができるでしょう。


2. 事例紹介:都内でマンション購入を検討するパワーカップルの挫折

都内で賃貸生活を送っていたAさん夫婦。夫はメーカーに勤務し、年収は800万円、妻は金融業で600万円を稼ぎ、世帯年収は合計で1,400万円。夫婦ともに収入は安定しており、そろそろ持ち家を購入したいと考えるようになりました。

物件の条件は、子育てがしやすく、環境も良いエリア。そんな中、予算8,000万円の築浅中古マンションを見つけ、購入を決意しました。住宅ローンはペアローン(夫婦それぞれが借入をする形態)で、返済計画もしっかりと立てた上で銀行に申請。しかし、結果は「審査落ち」。

「年収は十分だし、なぜ?」とAさん夫婦は戸惑いました。銀行の回答は「総合的判断」という曖昧なもので、具体的な理由は教えてもらえませんでした。


3. ローン審査に落ちた3つの理由とは?

住宅ローンの審査は、単に年収が高ければ通るというものではありません。銀行は、借り手の返済能力や信用力を総合的に判断して審査を行います。Aさん夫婦が直面したように、以下の3つの要因が審査に大きく影響する可能性があります。

(1) 勤続年数と年収の安定性

銀行が住宅ローンを貸し出す際、借り手の「勤続年数」や「職業の安定性」が非常に重視されます。一般的に、3年以上の勤続年数があると信頼性が高まるとされていますが、それ以下だと不安要素として見なされることがあります。

また、収入の高さが直接的に審査を通す理由にはなりません。重要なのは「年収に対してどれだけの金額を返済に充てるか」という点です。この返済比率が高すぎると、いくら収入が高くても「返済不能リスク」があると判断されることがあります。

例えば、年収600万円の場合、返済比率を30%に抑えるのが一般的です。これは、年間返済額が180万円(月々約15万円)を超えない範囲で計画を立てることを意味します。もし返済額がこれを大きく超えると、審査が厳しくなります。

(2) 既存の借入状況

住宅ローン審査では、すでに他に借り入れがあるかどうかもチェックされます。車のローンやクレジットカードのリボ払い、奨学金など、既存の債務が多いと、総合的な返済能力に疑問を持たれることがあります。

Aさん夫婦は他のローンは一切ありませんでしたが、もし他に借入があれば、その分返済能力が低いと判断される可能性があります。これが「信用スコア」の低下につながり、審査に不利に働きます。

(3) 信用スコアと過去の借入履歴

Aさんが気づいたのは、大学時代に利用していた奨学金の返済履歴でした。実は、奨学金の返済を一度数ヵ月遅れてしまったことがあったのです。住宅ローンの審査では、この「信用スコア」が非常に重要です。過去のクレジットカードの支払い遅延や、ローンの延滞などが記録されていると、その情報が審査に大きく影響します。

信用スコアは、クレジットカードやローンの支払い履歴、返済状況をもとに金融機関が評価する「信用力」です。支払いが遅れたり延滞が続いたりすると、信用スコアが下がり、住宅ローンの審査に悪影響を与えることがあります。Aさんの場合も、この信用情報がネックとなった可能性が高いのです。


4. 住宅ローン審査に通るための対策とは?

Aさん夫婦のように高収入であっても、住宅ローンの審査に落ちるリスクはあります。以下に、審査を通過するための具体的な対策を紹介します。

(1) 借入額に見合う物件を選ぶ

収入に対して借入額が多すぎると、審査が厳しくなります。頭金を増やして借入額を減らすか、少し安い物件を選ぶことが、審査通過への一つの方法です。また、頭金を多く用意することで、金融機関に「リスクを取る意識がある」と評価され、信頼度が向上します。

(2) 既存の借入を完済する

車のローンやクレジットカードのリボ払いなど、既存の債務は住宅ローン申請前に完済することが推奨されます。これにより、返済比率を下げることができ、信用スコアの向上にもつながります。特に、クレジットカードのキャッシングやリボ払いなどの高金利の借入は、早めに返済することが大切です。

(3) 信用情報を確認する

住宅ローンの申請前に、自身の信用情報を確認しておくことも重要です。信用情報は、CICやJICCといった信用情報機関で開示請求することで確認することができます。過去に支払い遅延があった場合、その情報が記録されている可能性があるため、事前にチェックしておくことで審査落ちのリスクを軽減できます。


5. パートナー名義でのローン申請も一つの選択肢

Aさん夫婦は、最終的に妻名義でローンを組むことを決断しました。妻Bさんの信用スコアには問題がなく、二人で堅実に貯蓄してきたため、頭金を多く出し、借入額を抑えることで審査に通る見込みが立ちました。

夫婦のどちらか一方の信用情報に問題がある場合、もう一方の名義でローンを組むことも選択肢の一つです。特にペアローンの場合、それぞれの信用スコアが重要視されるため、夫婦の状況に応じて名義の選択を柔軟に考えることが大切です。


6. マイホームを実現するための長期的な準備と計画

住宅購入は、ライフステージや家族構成によって適切なタイミングが異なります。Aさん夫婦は、子どもが生まれるタイミングでの購入を考え、最終的に妻名義で家を購入することを選びました。しかし、購入を決定する前にしっかりとした計画と準備を行うことが重要です。

今後の収入やライフスタイル、家族の成長を見据えた上で、無理のない返済計画を立てることが、夢のマイホームを実現するための鍵となります。また、購入を急がず、自分の信用情報や財務状況をしっかりと見直すことも忘れないようにしましょう。


7. まとめ:審査落ちから学ぶ住宅ローンの教訓

住宅ローンの審査においては、年収だけでなく勤続年数や信用情報、既存の借入状況が重要な要素となります。Aさん夫婦の事例からもわかるように、計画的な準備がなければ、高収入であっても審査に落ちることがあるのです。

自分の状況に合わせた対策を講じ、夢のマイホームへの道を着実に進むためには、時間をかけて計画を練ることが大切です。この記事を参考に、これから住宅購入を検討している方は、しっかりと準備を進めてください。

DUO LIFE