孤独は健康に悪影響!? 絆とつながりがもたらす健康効果とその作り方

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孤独は健康に悪影響!? 絆とつながりがもたらす健康効果とその作り方

序章:孤独・孤立の深刻な健康リスク

現代社会において「孤独」や「孤立」という言葉は、単なる感情ではなく、健康に大きな影響を与える要因として注目されています。東京都健康長寿医療センター研究所の村山洋史先生の研究によると、社会的なつながりが健康に及ぼす影響は、喫煙や肥満と同程度かそれ以上であることが明らかになっています。つながりを持つことが、心身の健康を守る鍵となるのです。

しかし、つながりを築くことが難しい現代において、どのように良好な関係を維持し、健康を守るべきか悩む人も多いのではないでしょうか。本記事では、孤独や孤立が与える健康リスクを詳しく解説し、つながりの「量」と「質」をバランスよく保つための方法を紹介します。


第1章:孤独・孤立が健康に与える影響とは?

孤独の持つリスク

近年、孤独が心身に与えるリスクは、医学的にも大きな関心を集めています。研究では、社会的なつながりが少ないことが、脳卒中や心疾患、さらには認知症のリスクを高めるとされています【※1】。孤独は人間が感じる基本的な感情の一つですが、その状態が長期にわたると、免疫機能が低下し、ストレスホルモンの分泌が増加することで、心身の健康に悪影響を与えるのです。

また、社会とのつながりが希薄になると、ソーシャルサポート、すなわち社会関係から得られる支援が受けられなくなり、助けが得られないという不安感がさらに健康に悪影響を及ぼすことになります。このように、孤独や孤立は、心の問題だけでなく、実際に身体的な健康リスクを高める原因とも言えるのです。


第2章:つながりの「量」と「質」が重要

つながりの質と量のバランス

つながりには「量」と「質」の両方が重要です。「孤独」とは、主観的に寂しさを感じる状態を指し、「孤立」とは、他者との客観的なつながりが少ない状態です。興味深いのは、孤立しているからといって必ずしも孤独を感じるわけではないという点です。たとえば、少数の友人や家族としかつながりがない人でも、その関係に満足している場合、孤独感を感じることは少ないでしょう。

一方で、多くの友人や知人と頻繁にコミュニケーションを取っている人でも、深い絆を感じられない場合には孤独感を抱くことがあります。このように、つながりは量だけでなく、質も重要であり、どれだけ「意味のあるつながり」を持っているかが大きな鍵となります。


第3章:「橋渡し型」のつながりがもたらす健康効果

異質なつながりが健康に良い理由

健康に良い影響を与えるつながりには、「結束型」と「橋渡し型」の2つがあります。結束型とは、同質性の高い内向きのつながりで、家族や職場の同僚、学生時代の友人などがこれに該当します。一方、橋渡し型とは、異質性の高い外向きのつながりで、異業種交流会や趣味の集まり、社外の勉強会などが含まれます。

特に現代では、仕事以外の場でもつながりを持つことが重要視されています。なぜなら、仕事のつながりだけに依存していると、環境が変わったときに孤立するリスクが高まるからです。橋渡し型のつながりを持っていると、異なるバックグラウンドや視点を共有することができ、ストレスの発散や新たな学びを得る機会が増え、健康にも良い影響を与えることができます。


第4章:オンラインとオフラインのつながりの違い

オンラインのつながりはどこまで有効か?

現代では、SNSやリモートワークの普及により、オンラインでのつながりが増えています。オンラインのつながりは、物理的な距離を越えて人々を結びつけることができるというメリットがありますが、健康に対する影響は必ずしも対面のつながりと同じではありません。

例えば、ビデオ通話を多く行っている高齢者と、対面でのつながりが多い高齢者を比較した研究では、ビデオ通話が精神的な健康に与える効果は限られていることが分かりました【※4】。SNSの友人が多いことが必ずしも深い絆を示すわけではなく、数が増えても助けてくれる人の数は一定以上増加しないという調査結果もあります【※5】。

そのため、オンラインのつながりは補完的な役割を果たすものであり、対面でのつながりを完全に代替することはできないと言えます。


第5章:柔軟なつながりの作り方

年齢や状況に応じたつながりの構築

つながりは、年齢とともに減少していく傾向があります。特に高齢になると、体力や健康状態の変化に伴い、外出や社会参加が難しくなるため、つながりが希薄になりがちです。しかし、健康に良い影響を与えるつながりを維持するためには、年齢や状況に応じてつながり方を柔軟に変えていくことが大切です。

若いうちは、職場のつながりや趣味の仲間との関係を築くことが中心になりますが、体力が落ちてきたらボランティア活動や近所付き合いなど、負担の少ない活動にシフトしていくことが望ましいです。さらに、介護が必要な状態になった場合には、デイケアなどを利用して社会とのつながりを保つ方法もあります。


第6章:社会とつながるための実践的な方法

子ども食堂や地域の活動に参加

社会とのつながりを持つための具体的な方法として、子ども食堂や地域のボランティア活動に参加することが挙げられます。子ども食堂は、子どもだけでなく地域の幅広い層が利用でき、世代を超えた橋渡し型のつながりを築く場としても機能しています。

また、NPOや地方自治体が主催するさまざまなイベントや活動に参加することも、新たなつながりを作るための有効な方法です。これらの活動に参加することで、単に地域社会とのつながりが生まれるだけでなく、自分自身の健康にも良い影響が期待できるでしょう。


第7章:孤独を防ぐためのセルフケア

孤独感を感じたときの対処法

孤独感を感じたときは、すぐに行動することが重要です。簡単な方法としては、友人や家族と連絡を取ること、オンラインで興味のあるコミュニティに参加することが挙げられます。また、セルフケアとして、趣味や新しいスキルの習得に挑戦することも、孤独感を和らげる効果があります。


結論:健康なつながりを築くために

つながりは、私たちの健康に深く関わる重要な要素です。孤独や孤立を防ぐためには、日常的にさまざまなつながりを築き、それを維持していくことが大切です。この記事を参考に、自分自身に合ったつながりを見つけ、健康的なライフスタイルを送ってください。

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