スマホで顎関節症!? あなたも知らないうちに発症する、顎のトラブルとその対策

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序章:スマホ時代に増える「顎関節症」とは?

ここ数年、スマートフォンの普及とともに増加している病気があります。それは「顎関節症(がくかんせつしょう)」です。スマホを使う人がほとんどの現代社会において、日常的に無意識のうちに顎に負担をかけているケースが多く、この結果、顎関節症の発症リスクが高まっています。

特に、スマートフォンを使うときに長時間下を向く姿勢や、歯を噛みしめる癖が顎関節に負担を与えることが多いです。この記事では、顎関節症の症状、原因、予防策、そして治療について詳しく解説し、スマホ使用による健康リスクを減らすための方法を紹介します。


第1章:顎関節症とは?

顎関節症の基本症状

顎関節症とは、顎の関節や周りの筋肉に異常が生じることで発症する病気です。顎関節症の代表的な症状には、次のようなものがあります:

  1. 口を開けたときに音がする
    口を開け閉めしたときに、「カクッ」「ポキッ」といった音が聞こえることがあります。この音は、顎関節に負担がかかり、正常な動きが妨げられていることを示しています。
  2. 顎関節や周辺の筋肉に痛みが生じる
    顎関節やその周辺に痛みが現れることも一般的です。痛みが強くなると、食事や会話、あくびなど日常的な動作が困難になることがあります。
  3. 口が思うように開かない
    通常よりも口が開かなくなり、指を縦に2〜3本入れることが難しくなることがあります。こういった症状が見られると、顎関節症が疑われます。

顎関節症の原因

顎関節症の原因は一つに限られません。複数の要因が重なって発症することが一般的です。顎関節症を引き起こす主な要因には次のものがあります:

  • 歯ぎしりや食いしばり
    無意識のうちに夜間に歯ぎしりをする、またはストレスが原因で日中も食いしばる習慣がある場合、顎関節に大きな負担がかかります。
  • 上下の歯を接触させる癖(TCH:Tooth Contacting Habit)
    TCHは、歯を軽くかみしめている状態が続くことです。知らないうちにこれが続くと、顎の筋肉に負担がかかり、顎関節症のリスクが高まります。
  • 姿勢の悪さ(特にスマホ使用時の前かがみ)
    スマホやパソコン作業の際に猫背になり、前かがみになると、顎に過度な負担がかかることがあります。特に、長時間この姿勢を続けると、顎関節にストレスが蓄積されます。

第2章:スマートフォンと顎関節症の関係

スマートフォンが顎に与える影響

スマートフォンの使用が増える現代において、スマホ使用中の姿勢が顎関節症に大きな影響を与えることが分かっています。スマホを使う際には、無意識のうちに前かがみの姿勢になりやすく、これが顎に悪影響を及ぼすのです。

スマートフォンを見ているとき、以下のような動作や習慣が顎に負担をかけます:

  • 前かがみ姿勢
    頭を前に突き出してスマホを見ると、顎が引っ張られる形になり、顎関節に余計な負荷がかかります。
  • 無意識の歯の接触
    スマホに集中しているとき、上下の歯を軽く接触させた状態でいることがあります。これが続くと、顎周辺の筋肉に過剰な緊張が生じ、顎関節に負担をかけることになります。

第3章:スマートフォン使用中にできる顎関節症予防法

姿勢の改善がカギ

スマホを使う際に、適切な姿勢を保つことで顎関節症の予防が可能です。以下の方法を実践して、スマホ使用時の姿勢を改善しましょう:

  • 画面の高さを上げる
    スマホを持っている側の肘を反対側の手で体の中央に引き寄せることで、画面の位置が高くなり、猫背になりにくくなります。
  • 定期的に休憩を取る
    スマホを使い始めてから15〜20分程度でアラームを設定し、そのタイミングで一旦スマホを置きましょう。その際、軽いストレッチを行い、背筋を伸ばしてリセットすることが重要です。
  • 歯を噛みしめないよう意識する
    スマホに集中しているときに、無意識に歯を噛みしめていることが多いので、意識的に歯を離すことが大切です。メモや付箋を利用して、こまめに歯を噛みしめないよう注意しましょう。

第4章:顎関節症の早期発見と治療の重要性

早めの受診が大切

顎関節症の症状が出た場合は、早期治療が重要です。以下のような症状が見られた場合は、早めに歯科や口腔外科を受診しましょう:

  • 音がするが痛みがない場合
    口を開けたときに音がするだけで、痛みや開けにくさがない場合は、特に治療が必要ないこともありますが、予防策を実践することが重要です。
  • 痛みがある場合
    顎に痛みがある場合は、放置せずにすぐに受診が必要です。痛みは生活に支障をきたすことがあるため、早めの対処が求められます。
  • 口が開かない場合
    指を縦に揃えて、口の中に何本入れられるかを確認し、3本入らない場合は顎関節症の可能性が高いため、専門医に相談しましょう。

第5章:顎関節症を予防するための日常習慣

歯を接触させない癖をつける

歯を噛みしめたり、上下の歯を軽く接触させる癖を持っている人は少なくありませんが、この癖が顎に悪影響を与えることがあります。意識的に歯を接触させない習慣をつけることで、顎関節症の予防に繋がります。

柔らかい食べ物を選ぶ

硬い食べ物は顎に負担をかけるため、顎関節症の予防には、柔らかい食品を意識して選ぶことが効果的です。また、噛む回数が多い食事は控えめにしましょう。


第6章:専門治療とその選択肢

マウスピースと薬物治療

歯ぎしりや食いしばりが原因で顎関節症が進行している場合、歯科でマウスピースが処方されることがあります。これにより、顎への負担を軽減し、歯ぎしりによる顎のダメージを最小限に抑えることができます。

また、痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤の処方も行われることがありますが、根本的な治療には生活習慣の見直しが欠かせません。


第7章:顎関節症を避けるためのライフスタイル改善

適度な運動とストレッチ

スマホやパソコンの長時間使用が避けられない場合でも、適度な運動やストレッチを日常に取り入れることで、顎や肩、首周りの筋肉の緊張をほぐすことが可能です。

ストレス管理

ストレスは顎関節症の発症に大きく関わります。ストレスを溜めないよう、リラックスできる時間を設け、心身ともにリフレッシュすることが顎関節症予防に有効です。


結論:スマートフォン時代における顎関節症予防

現代社会において、スマートフォンの使用は避けられませんが、適切な姿勢と意識的な予防策を実践することで、顎関節症のリスクを大幅に減らすことが可能です。スマホの使用時間をコントロールし、歯を噛みしめないことを意識しながら、定期的なストレッチや姿勢の見直しを行いましょう。

顎関節症は、早期に対処することで治療がスムーズに進み、症状を重篤化させることを防ぐことができます。少しの意識と努力で、顎の健康を守りましょう。

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