天丼 てん屋
関東を中心に展開している天丼専門店てん屋がまたまた大阪に進出して来ている。
現在、あべのキューズモール、天六、イオンモール大日、千日前と本気で関西に拠点を築こうとしている。
天丼一杯590円(税込)、夜は飲み需要にも応えられる構えでの出店だ。
大阪各地を見渡せば、格安天丼チェーンが他にもゴロゴロ存在する。
一般的な目線で見ると、海老とか高い食材を使って安く提供する天丼業態なんて儲かるのか!?という事。
ターゲットは明らかに男性・学生。
打ち出しは定番のオーソドックスの天丼590円。
定食やらアルコールやら蕎麦との抱き合わせで平均客単価を800円台に持っていきたいのも透けて見える。
出店地域を勘考すると、家賃は最低でも15坪50~60万以上、スタッフは通常時2オペ、ピーク時3オペだ。
それでは考察します。
天丼専門店の利益率を剥がす
目玉の天丼590円、税抜き537円。
海老2尾、イカ1片、野菜3種、ご飯、タレで最高でも原価が180円、原価率33%くらい。
通常の飲食店の考え方からすると、15坪の店に30席配して、昼から夕方にかけて2.5回転、夜1回転だと仮定。
平均客単価を800円で計算すると、日商84,000円。
月商は30日営業で2,520,000円。
F(原価)L(人件費)が60%に抑えられても、良い環境で商いをするとR(家賃)比率が20%になる。
水光熱費が5%、宣伝広告費が3%に抑えれたにしても月間201,600円。
税金など考慮すると個人店の場合、オーナーが身体を入れないと旨味のないビジネスだと結論づけれてしまう。
ところが、天丼は国民食、そして激安とくれば回転率が1日で3.5回転の訳がなく、その1.5倍から3倍の振れ幅があり、人が集まりやすい場所ほど家賃が高くとも旨味が出てくる。
個人で天丼の激安専門店の開業した場合のよくあるパターン
個人・小規模事業者の場合、人が集まりやすく家賃の高い場所を抑えるのは初期コストを考えた場合難しいので2等立地以下での勝負になるでしょう。
家賃は1坪20,000円程度、1階路面店、駅近、牛丼チェーンが近所あることがマスト。
坪数は最高で2名で回す坪数でいくと15坪以下。
仮に、12坪家賃共益費込みで270,000円の駅近・一階店舗だとすると、
席数は最低でも24席欲しく、20席が5回転すると1日100人のお客様が来店する。
平均客単価が800円だと日商80,000円、月商26日営業で2,080,000円、坪売17.3万円
F(原価)少し高く見て40%とすると832,000円
L(人件費)はオーナーが身体を入れる場合、2オペ人員がフルで勤務すると月35万前後。
R(家賃)は27万円、水光熱費5%で15万円。
税金等考慮すれば旨みがない。
天丼専門店で旨味を出すコツ
先ほどのパターンであっても人件費のコントロールや広告費を駆使して1日の来店数を引き上げると旨味あるビジネスに変わる。
メニューや打ち出しは大手、例えば『てん屋』をTTP(徹底的にパクる)すれば問題ありません。
もう一つ、一番大切な施策は大手も実施できていない男性・学生以外のお客様である女性をどう巻き取るのかが非常に大切です。
Q(品質)S(サービス)C(清潔さ)も大切ですが、店舗のファザード・内装が女性を巻き取る一番の鍵です。
女性は比較的好みであるはずの天ぷらの激安店だとしても、ファザード・内装がいかにも激安店では来店する動機が低い。
女性はこんなに素敵な店なのに・・・とか高級そうなのに・・・が枕について激安が活きる特性があります。
よーするに最初の店舗設計が非常に大切になるという意味です。
大手激安天丼専門店をTTPし、外装・内装に工夫すれば広告費に月10万程SNSを中心に課金。
SNS映えするメニューを作成し、月に10回以上は投稿。
グルメサイトには無課金か最低額で掲載。
Googleマイビジネス必須。
たったこれだけを意識すれば坪売で40~50万叩くことも不可能ではありません。